黒の衝撃って聞いたことあるけど何?
モード系ファッションってよく聞くけどどういう意味?
定義ってあるの?
洋服好きな人でもこの疑問にきちんと答えられる人は少ないと思います。
そんな人に向けて、元アパレル店員の私が歴史を交えて分かりやすく解説したいと思います。
この記事を読むとわかること
- モード系の意味
- モード系の有名ブランド
歴史を知りどんな背景でそのブランドが誕生したのか知ると、買い物がより楽しくなりますよ。
モード系の意味とは…
そもそもモード系とはどういう意味なんでしょうか…
答えは…
フランス語で「流行の、最新の、ファッション」
という意味があります。
ファッションや髪型における最先端を指す言葉として使われることが多いです。
まれに、「非凡なおしゃれ」という解釈もされます。
パリコレなどのファッションショーを思い浮かべると分かりやすいかと思いますが、
こんな服いつ着るんだ?みたいなデザインのものがありますよね。
それが、その年の流行りを象徴しているデザインのものです。
なので実際に店頭で売られている洋服はコレクションから日常向けに再度デザインされているんです。
つまりモード系ファッションとは…
最新のファッションを取り入れたコーディネートをモード系ファッション
と呼ぶわけです。
以前はモノクロなトップスにスキニーのような細身のパンツを合わせたものをモード系として扱うことが多くありましたが
最近ではワイドパンツなどゆったりしたシルエットの服装が多く見受けられるようになりました。
では、なぜ
モード系ファッション=黒あるいはモノクロ
というイメージが存在するのでしょうか。
その答えは次のモード系ファッションの歴史、で説明していきます。
モード系ファッションの歴史
〜1980年まで
時は1980年代にさかのぼります…
当時のファッションの最先端はフランスを筆頭とした西ヨーロッパでした。
華やかな色使い、きらびやかな装飾、身体に沿ったボディラインをみせるシルエット
というのがモードの主流でした。
そんな中現れたのが2人の日本人デザイナーです。
Comme des Garcons(コム・デ・ギャルソン)の川久保玲 (かわくぼ れい)さん
Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)の山本耀司 (やまもと ようじ)さん
です。
1981年 黒の衝撃
日本のComme des GarconsとYohji Yamamotoがパリコレに出場したのは1981年、
彼らは当時の流行を無視した、
黒一色、身体のラインを隠したゆったり目のシルエット、
穴があいていたり破れていたりしているボロボロの生地。
そんなファッションでコレクションに出場したのです。
当時、黒は「反逆」や「反抗」を表す色という認識があり、ファッションに用いるのはタブーとされていました。
そんな常識を破壊し、ファッション界に大きな衝撃を与えました。
賛否両論ありましたが、次第に真っ黒なコーディネートはおしゃれとして定着していきました。
1980年代にComme des Garcons、Yohji Yamamotoのスタイルを身にまとい、
真っ黒なファッションをしている人たちは「カラス族」と揶揄されたそうです。
そんな西ヨーロッパのファッションの常識を1度破壊し大きな分岐点を作った1981年のパリコレを
黒の衝撃
と呼ぶのです。
川久保玲さんと山本耀司さんは服をデザインするにあたり、大切にしている考え方があります。
それは
「当たり前と思われている概念や常識を疑うこと」
です。そんな考えを持つ彼らだからこそ当時のファッションに風穴を開けられたといえるでしょう。
高級なデザインとはどんなデザイン?
ボロボロなら高級ではない?
そんな誰も答えられないような当たり前を破壊し、
モード系というジャンルを確立させたのが定着させたのが2人の日本人デザイナーだったのです。
では続いてモード系ファッションといえば、といえる代表的なブランドを5つ紹介していきます。
モード系ファッションの代表ブランド4選
この項目ではモード系の代表格ともいえるブランドを4つ紹介します。
どのブランドもいわゆるハイブランドに属するものだと思います。
もっと手軽なモード系ブランドを知りたい方はそういった記事も書いているので
こちらを参考にしてみてください。
COMME des GARCONS
本記事で再三登場している「Comme des Garcons」
このブランド抜きではモード系ブランドは語れません。
私も普段からお世話になっているブランドです。
モード系ファッションの代表格とも言えるブランドで、
ブランドのコンセプトも「反骨精神」「見たことがないもの」
と言うだけあって非常に個性的なアイテムが揃っています。
Yohji Yamamoto
こちらのブランドもやはり「Comme des Garcons」と同じくらい
モード系を語る上では必須なブランドと言えます。
Yohji Yamamotoは「アンチテーゼによってモードを制覇する」というコンセプトで、
常にファッションのタブーを壊し時代に流されない新しい価値観を創造する服作りを哲学にしているブランドです。
黒の衝撃の出来事からもわかるように常に常識を疑い、新しいものを作り上げる、山本耀司さんの世界観が全面に出ているブランドです。
CELINE
続いて紹介するブランドはCELINE (セリーヌ) というブランドです。
こちらのブランドのデザイナーさんはセリーヌ・ヴィピアナさんというフランスの女性実業家です。
ブランドコンセプトは「女性らしくありつつも自立しているアクティブな女性」です。
これだけ聞くと男性が着ることはできないのでは?と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
実際にメンズの商品も取り扱いがありますし、CELINEの洋服の良いところは生地などの質が高いのはもちろんですが、
カジュアル、フォーマル、ビジネス、モード…どんなファッションにも合わせることができる
非常に汎用性の高いアイテムが揃っています。
値段は高いですが一生モノと思って1着持っていても絶対に公開しないブランドです。
Maison Margiela
続いて紹介するブランドはMaison Margiela (メゾン マルジェラ) です。
こちらのブランドの創業当初のデザイナーさんはマルタン マルジェラというベルギー国籍の方です。
しかし彼は2008年にデザイナーとして事実上の引退を宣言しました。
引退の理由は「疲れてしまったから」という理由でした。
Maison Margielaの詳しい歴史については長くなってしまうのでまた別の記事で紹介します。
現在のブランドコンセプトは、「ポペリズム (貧困者風)」です。
なかなか衝撃的なコンセプトですよね。
実際にMaison Margiela の洋服はミリタリーウェアや古着をさらにリメイクしたり、
逆に新しいものを敢えて古く色褪せたような加工を施したり、ダメージ加工を加えたりしているものが多くあります。
こちらも今までのブランド同様非常に高価なアイテムが多いです。
さらにCELINEなどと比較すると汎用性という点では劣ってしまいます。
しかし余りある個性をファッションに組み込むことでワンランク上のコーディネートが完成しますよ。
番外編 もっと買い求めやすいブランドはないのか?
これまでモード系といえば、というブランドを紹介してきました。
しかし消化したブランドはどれも非常に高価なのでなかなか手が出せないですよね (笑)
そんな方には下の記事ではもっと買いやすいオススメブランドを紹介しているので
是非そちらの記事も参考にしてみてください。
【初心者必見!】モード系ファッションにオススメのブランド5選
https://take-fashion-dictionary.com/2023/03/07/%e3%80%90%e5%88%9d%e5%bf%83%e8%80%85%e5%bf%85%e8%a6%8b%ef%bc%81%e3%80%91%e3%83%a2%e3%83%bc%e3%83%89%e7%b3%bb%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%81%ab%e3%82%aa%e3%82%b9%e3%82%b9/
まとめ
いかがでしたか。モード系の原点ともいえる黒の衝撃について解説してきました。
こういった背景を知ってからいろんなお店でマネキンを見てみてモード系のコーディネートが組まれているのを見ると
ファッション業界において黒の衝撃がどれほど大きな出来事だったか見てとれると思います。
さらにはモード系といえば、というブランドも紹介させていただきました。
最初はハイブランドばかりで手が出にくいと思いますが、時間をかけてお気に入りの1着を見つけてみてください。
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